ツールやテクノロジー、コミュニケーションが進歩する時、クリエイターらからこういう意見を聞きませんか。「すでに誰かがやってるよね。新しいものを作り出す必要はあるの?」人はそうやって、自分にストップをかけてしまう傾向にあります。生まれてくるはずの、素晴らしい彫刻、発明、サウンドトラック、小説たち・・・。絵の具はまだ乾かず、言葉はまだ脈を打っているのに、私たちはなぜ途中で投げ出してしまうのでしょう。それは深く考えず、そう決め込んで諦めてしまったからかもしれません。これまでにも同じようなアイデアってあったよね、と。確かに!では、その前提で考えてみてはどうでしょう。もし本当に同じようなアイデアが存在していたとしても、あなたの視点や枠組みを通してつくられたものではありませんね。あなた自身のバックグラウンドや経験を通して、自分の目や耳、手を通して作られたものではありません。点と点の間にあなたが見るつながり。それこそが、ユニークで意味あることなのです。挑戦する価値があるものなのです。

たとえば、「永遠に結ばれない恋人たち」。このテーマは、歴史上何度も繰り返されてきましたよね。同じように繰り返し登場する「ゾンビ」、「宇宙」や「水中」がテーマの作品、犬の視点で語られるアニメやストーリーなども繰り返されてきました。確かに!これらのアイデアは何千回とありましたが、だからと言って毎回同じではないし、それぞれに面白いですよね。どう料理するかは、それはクリエイター、あなた次第です。そこに作り手のスタイルを付け加えるのです。極端なことをする必要はありません。ほら、映画化された本や、他の言語で再演された映画、伝統的な料理のアレンジ、70年代に流行ったファッショントレンドなど。これらは全て、もうすでにあったものが元になっています。それらをインスピレーションとすれば、過去のものを繰り返すだけではなくなるのです。巨人の肩に乗りながら、とても斬新な発想を生みだせるのです。

もしブレインストーミングをしていて、頭に浮かんだ全部のアイデアを捨ててしまうような状況にぶつかったら、少し時間をおいて冷静に考えてみてはどうでしょう。あなたは、新しい銀河を発見する必要もなければ、ゼロから芸術運動を起こす必要もないのです。次の受賞作品の脚本を書く必要さえないのです。必要なのは、”大したことない”と自分が思っているものを押し通すことだけ。自分のアイデアにチャンスをあげようではないですか。取るに足らないと思っても、ずっとこねくり回し続けてみましょう。違う角度から見てみましょう。ツール、媒体、アプローチの不思議な組み合わせを考えてみましょう。そう!友達にランダムな言葉5つをもらい、それをアイデアに当てはめていくのもいいかもしれません。自分を縛り付けている型を破れば、昔からあるアイデアが、今でも羽ばたくことができると気づくはずです。あなた自身の魔法をかけてみてください。思い切って、あなたのアイデアにふさわしい居場所を与えてあげましょう。